発売当時の据え置き機と同等の性能を持つことから、これまで携帯機では実現不可能だった大容量&高品質な作品をプレイできる様になったGBA。
このゲーム史的な快挙の結果、様々な名作タイトルや良作移植が行われジャンルを問わない豊富なソフトラインナップが展開しました。
しかし話題の作品やビッグタイトルの影に隠れて「面白いのに見逃された」作品も少なくないのが人気ハードの性というもの。
今回は「GBA(ゲームボーイアドバンス)の隠れた名作ソフト」をまとめました。知名度の低さに反して絶大な面白さを誇る厳選タイトルを作品の特徴と共に一挙にご紹介します。
GBAの隠れた名作ソフト
それではさっそく、GBAの隠れた名作ソフトを紹介していきます。
どーもくんの不思議てれび
隕石に破壊されテレビの中に吸い込まれたパラボラアンテナのかけらを集めるため、どーもくんがテレビの世界で様々なゲームに挑むミニゲーム集です。
ミニゲームはシューティングからリズムゲームまで多彩に取り揃えられており、救済アイテムの存在など全体的な難易度が低めで小さなお子様でも楽しめます。
しかしカジュアルな内容に反して各種ミニゲームの作り込みはかなりのもので、難易度やタイム&スコアアタックなどのやり込み要素も充実!
NHKがメインで製作したという経緯からゲーマーの知名度は少ないものの、実際遊んでみると高品質なミニゲーム集としての高い完成度を感じられる良作となっています。
トマトアドベンチャー
トマト好きの国王に連れ去られたガールフレンドを助けるため、ケチャプー王国を冒険するアクションRPGです。
基本的にはコマンドを選択してターン制の攻防を繰り返す、定番RPGシステムを採用した本作の独自性は、「ギミック」と呼ばれる武器システム。
使用回数が設けられたギミックはそれぞれの特徴的なアクションコマンドが割り振られており、ミニゲーム調のアクションの可否に応じてダメージや効果が変化します。
可愛いキャラと斬新な戦闘システム、ブラックユーモアが見え隠れする絶妙なストーリーから、目立った作品ではないものの堅実な遊び心地を得られる名作です。
宇宙大作戦チョコベーダー ウチュウからの侵略者
強い念波力を持つことから「エンライトナー」として覚醒した少年が地球を救うために戦うRPGです。
デフォルメ化された宇宙人が100種類以上登場し、それらを見つけて仲間にしていくのが本作の主なストーリーライン。
サイドビュー形式の「アドバンスアクションバトル」で勝利すると宇宙人たちが仲間となっていく工程は、収集系のゲーム好きのツボを否応なくくすぐってきます。
また全252種類に上るガジェットを集めて合成してセットする一連の流れはやりごたえも十分で、子供向け作品の見た目に反した本格的な強化育成も楽しめる名作です。
ドラゴンボール アドバンスアドベンチャー
初期からピッコロ大魔王辺までの原作ストーリーをアレンジ要素込で追体験できる、アクションアドベンチャーゲームです。
「ゴチャバトル」は横スクロールアクションのステージで構成され、雑魚を蹴散らす道中とボスが登場するステージが繰り返され進みます。
1VS1の対戦格闘アクションで戦う「タイマンバトル」ではゴチャバトルとは使用可能なアクションが変化するため、全く違った遊び心地が得られるでしょう。
最新関連作品での登場は難しそうな初期キャラ&初期ストーリーを持つ、原作ファンなら遊ばない手はない隠れた名作タイトルです。
ナポレオン
18世紀のフランスで活躍する名将ナポレオンとなって仲間を率い、蝋人形師マダム・タソーを始めとする強敵を討つリアルタイムウォーゲームです。
リアルタイムストラテジーというアクションやRPGとは違ったゲーム性ながら、丁寧なチュートリアルによって開幕から懇切丁寧に説明されるため、システムや操作でつまずくことは一切ありません。
しかしゲーム中はノンストップで戦況が進むため常に思考を求められるため、わかりやすさ・遊びやすさに反してやりごたえは抜群です。
ローンチタイトルでありながら初期作品とは思えない完成度を誇る、携帯機で遊べる上質な戦略ゲームの隠れた名作とも言える作品です。
ZERO ONE SP
不思議な夢に悩まされる中学生男子が、同級生と共に繰り出した肝試しをきっかけに、超能力とそれにまつわる物語へ巻き込まれていくSFアドベンチャーです。
ゲームはごくオーソドックスなテキストアドベンチャー形式となっており、プレイヤーの役割は選択肢を選んで分岐する物語を読み進めていくことになります。
主なストーリーラインは4種ながら本作のエンディングは全175種と大量に用意されており、多くはバッドエンドでありながら結末の多さがやりごたえと満足度に直結。
子供・カジュアル層向けの作品が多いGBAタイトルの中でも珍しくグロ・お色気要素をもつ作品なので、大人で通好みなゲーマーの方に遊んでいただきたい一作と言えます。
くるくるくるりん
外の国で迷子になってしまった弟妹を探すため「ヘリリン」に乗り込んで、10つの国を冒険するアクションゲームです。
自動で回転する自機を操作して障害物にぶつからない様に気を付けながらゴールを目指し進む、ゲーム自体の内容はごくシンプルです。
しかし回転方向によってふらふらと動く自機の操作はなかなかにシビアで、思うとおりに進んでくれないもどかしさが繰り返しプレイの欲求を掻き立てます。
GBA本体と同時に発売された初期作品のため見落とされがちですが、唯一無二の遊び心地が高く評価され後に続編展開も成された隠れた名作です。
オリエンタルブルー 青の天外
世界の統治者である天帝の死後から立ち始めた世界滅亡の噂と各地に現れる魔物の被害から世界を守るため、古文書を手にした主人公が冒険するRPGです。
他のRPG作品でいうところの「魔法」に当たるシステム「マ石」は、道具形式での消費や組み合わせによる強化などで「アイテムのやりくり」という独自の戦略性をプラス。
「オート戦闘」モードは攻撃やマ石・秘術の使用やアイテム・逃走までとにかく細かく設定できるため、楽を求めてシステム任せにした結果の失敗が少ない点も良好です。
自由度の高いシナリオの中で世界を旅して歩く、昨今のフリーシナリオRPGにも似た満足度を得られる先進的な作品です。
クレヨンしんちゃん 伝説をよぶオマケの都ショックガーン!
フィギュア魔人によってフィギュアに変えられたひろしとみさえ達を救うため、カスカベ防衛隊の面々が戦うアクションゲームです。
本作の見どころは何といってもストーリー。前作とは異なり作られた完全新作ストーリーはフルボイスとなっており、アニメ視聴気分で楽しめます。
野原一家やカスカベ防衛隊のメンバー以外にもカスカベの人々が登場し、ふんだんに盛り込まれた原作ネタはアニメ・漫画好きにも一押しのタイトルです。
ロックマン&フォルテ
ロックマンとフォルテが一時休戦し、世界征服を目論む謎のロボット・キングに立ち向かう横スクロールアクションゲームです。
2人のキャラどちらかを選択して進むゲームなので、ロックマンはチャージショット・フォルテは拡散射撃と使い分けが可能な性能差が設けられています。
高い評価を受けたのがバリエーション豊富な特殊武器で、どの武器も必ず輝ける局面が用意されているバランス感が絶妙です。
スクリューブレイカー 轟振どりるれろ
悪徳企業の襲撃で奪われた家宝を取り戻すため、盗賊団の親分の娘である主人公が愛用ロンボに乗り込んで戦うアクションゲームです。
本作の特徴はLRボタンがメインとなったユニークながらも「シンプルな操作性」と、攻防一体になった万能ドリルの「アクション性」にあります。
自機のロボットはドリルしか装備がないながら、敵への攻撃から障害物の破壊・移動にも防御にも使用できるという万能っぷり!
発売時期がDSと被ったために見逃されがちな作品ですが、完成度の高いゲーム内容から2Dアクションゲーム好きの方にぜひとも遊んでいただきたい一作です。
ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密
人間を助けて戦う正義のロボット「鉄腕アトム」が、やがて世界中に広がる人間とロボットの不和の原因を解決するために駆け回るアクションゲームです。
基本構成は非常に出来の良い横スクロールアクションで、十字キーとボタンの組み合わせで繰り出す派生技を用いてステージ攻略を目指すのが主な流れ。
ゲーム内で新たなキャラと出会う度にアトムが成長していくレベリング要素もあり、ゲームの進捗に応じて頼もしくなっていくアトムに愛着が湧くことでしょう。
アニメを原作に持ちながらお祭り作品的な面が強く、ゲームの独自展開が多いためアトム以外の手塚治虫作品ファンも楽しめるタイトルです。
ボボボーボ・ボーボボ 9極戦士ギャグ融合
マルガリータ帝国と毛の王国の平和を守るボーボボたちの戦いの旅を描いた、ロールプレイングギャグゲームです。
本作の見どころは原作準拠のバトル演出。攻撃や被ダメージで蓄積する「ハジケゲージ」を用いた必殺技にキャラクターが協力して発動する合体技は、アニメや漫画で見た技ばかり!
細かいアニメパターンと優れたデフォルメによって表現されたキャラは、どれもギャグマンガが出展であるチャーミングさを最大限に活かしており、原作ファンも大満足です。
オリジナル要素であるギャグや展開も原作の魅力を損なうどころか惹きたてるものばかりなので、「笑える名作RPG」をお探しの方にぜひとも遊んでいただきたいゲームです。
GBAの隠れた名作ソフトまとめ
GBA対応ソフトとして発売された作品は800に迫るほどの数があり、もちろんその中にはよく売れたタイトルもそうでなかったタイトルも存在します。
しかし売れていない・日の目を見なかったタイトルは発売時期や広告の状況など多岐に渡る理由があり、決して面白くないゲームだったわけではありません。
今回ご紹介したタイトルはまさしく「隠れた名作」に相応しく、見落とされるにはあまりにも惜しい作品ばかり!
これまで見たことも聞いたこともなかったけれど知ってしまえば興味が尽きない、「ゲームボーイアドバンスの隠れた名作」をあなたのゲーム記に残してみませんか?